丸洗い工場見学

見学先は奈良県天理市にあるフレスコ天理工場です。毎日たくさんの布団がこの工場に運ばれてきます。
ほとんどの方が、布団が丸洗いされている様子を実際に見たことがないと思います。
皆様に代わって、HP担当の藤野が布団丸洗いの様子をレポートします!









専用のふとん袋に入れられた、お客様からの布団が丸洗いを待っています。

工場の2階にたくさんの布団袋がありました。
ふとん袋の中をのぞいてみました。丸洗いに出していただく時、お客様にはあらかじめ外についているふとんカバーを外して、ふとん袋に入れていただきます。
スタッフが、1枚1枚、お客様のふとんをチェックしていきます。襟布がついていないか、丸洗いすると縮みがでそうなものや破れているふとんがないかしっかり確認していました。
それにしても、こんなにたくさんの布団が集まっているのを見たのは初めての経験でした!
工場では、お客様の布団の紛失をふせぐために、連番のタックを一つ一つの布団につけて管理しています。

1階に移動しました。
布団丸洗いと聞いた方は、いきなり水を布団にかけるのかしら…と思われる方もいらっしゃると思います。
- 木村
- 「フレスコの布団丸洗いでは、まず最初に、汚れ部分に中性の蛋白分解酵素剤というものを塗ります。汚れによって2種類の前処理を使い分けします。酵素が汚れを分解するまで、半日くらいかかります。」
- 藤野
- 「いきなり水をかけないんですね。」
- 木村
- 「外からいきなり水をかけるだけでは、布団の中に水がしっかり浸透しないからです。」
- 藤野
- 「どうして中性の蛋白分解酵素剤を使うのですか?」
- 木村
- 「漂白剤を使う所も多いですが、フレスコでは漂白剤は一切使わないのがこだわりです。
漂白剤を使うと、布団の側生地や中わたを傷めるおそれがあるからです。
漂白剤を使うと、汚れの色だけはとれますが、実は汚れ自体はとれていません。
フレスコでは、布団の汚れをしっかりとりのぞき、清潔な状態にする事が一番大事だと考えています。
見た目だけをきれいにする漂白剤は使わないんですよ!
蛋白質分解酵素を使えば、布団をこすらずにすみます。布団を傷めずにすむんですね。
弱アルカリ性のものもありますが、布団の素材が溶けたり傷んだりする場合があります。
フレスコは、布団を丸洗いする事を当たり前にしたいと思っています。
何回も丸洗いするためには、布団の耐久性が減ってしまう洗い方はしたくない。
だからお客様の布団を傷めない、中性の蛋白分解酵素剤を使っています!」

あれっ!
お布団がくるくると巻かれています。しっかり空気を抜いて巻かれた布団は機械を使ってガシャンとヒモで固定されました。
その光景をみて思わず、巻いてしまったら布団の表面が隠れてしまうから、しっかり洗えないのでは…と思った私。
だって、家で洗濯する時に、くるくると洗濯物を巻いたりしません。
- 木村
- 「巻き寿司のように見えますか?すし巻き機セットルという自社開発の専用機械を使って、布団をすし巻きにします。
すし巻きはフレスコの布団丸洗いの特徴なんですよ!」
- 藤野
- 「どうしてすし巻きにするのですか?」
- 木村
- 「すし巻きにする事で、洗っている途中で中わたがよれたり、綿切れが発生するのを防ぐためです。」
確かにそうです。普通の服やタオルに水を浸透させるのは簡単ですが、布団にしっかり水を浸透させるためには、同じ方法では通用しません。大きさも厚さも材質も普通の洗濯物とは全然違います!普通の洗濯物を洗うのとは訳が違うんです!
- 木村
- 「ポイントは空気をしっかり抜く事です。羽毛布団になると、側生地の密度が高いです。中にたくさん空気を留める事ができるから暖かいんですね。もし、空気を抜かずに水を浸透させようとすると、水に浮かんだ浮き輪のように、空気抵抗が大きいため、水がしっかり浸透しません。布団を傷めないため、しっかり水を浸透させるためにすし巻きにした布団をヒモで固定します。」
- 藤野
- 「なるほど!」
よく見ると、職人さんがすし巻きにする時に、内側や外側に白い布をのせて一緒に巻いていました。
- 藤野
- 「なんで、白い布を巻いているんですか?」
- 木村
- 木村「色落ちしてしまいそうな布団には、外側や内側に布を巻いて色落ちなどから保護します。そして、先ほど塗った蛋白分解酵素剤が汚れを分解するまで半日ほど時間をおきます。」

これが、蛋白分解酵素剤。2種類を使い分けます。

中わたの種類別に布団を仕分けして、半日ほど置きます。








いよいよ、洗濯の工程に入ります。
- 藤野
- 「大きな機械ですね!」
想像以上に大きな機械でした!業務用の洗濯機を見たのはもちろん初めての経験です。
私の身長は164cmですが余裕で超えてしまう大きさです。
- 木村
- 「自社開発の自慢の布団丸洗い専用機械です!布団が動かないように隙間なくドラムにつめるのがポイントです。隙間があると中で布団が動いて、布団が傷みます。また、空気があると水が浸透しにくいからです。」
- 藤野
- 「何枚布団が入るのですか?」
- 木村
- 「1つのドラムに敷布団が7枚入ります。」
- 藤野
- 「この機械が完成するまでにはたくさんの苦労がありました…。数え切れないくらいの試行錯誤をしながらこの機械は完成したのです。」

機械を操作するタッチパネルです。
- 木村
- 「布団の種類ごとに工程をプログラム化しています。プログラムは全国32箇所のフレスコ指定工場で統一されています。プログラムは勝手に変更ができないようにロックがかかっています。」
- 藤野
- 「どうしてですか?」
- 木村
- 「勝手にプログラムを変更できるようにすると、丸洗いの品質にバラつきが出てしまいます。いつでも、どのフレスコ工場に布団の丸洗いを出しても、品質を下げずにしっかり丸洗いしたい。だから、工程を統一しているのです。」
ここで疑問がわきました。
1枚1枚の布団の状態は違います。布団丸洗いの職人さんがしっかり見極めて、1枚1枚ていねいに布団を丸洗いした方が満足の行く仕上がりになるのでは?
- 藤野
- 「職人さんには頼らないんですか?“熟練した職人さんが1枚1枚丁寧に洗う”方がしっかり布団を丸洗いしてくれる印象があります。」
- 木村
- 「人のスキルに頼ってしまうと、丸洗いの品質に差が出てきてしまいます。熟練した職人さんでも、その時のコンディションによってどうしても丸洗いの品質に違いが出ます。また、人に頼りすぎると、布団丸洗いのノウハウがその人ばかりに蓄積し、たくさんの布団を丸洗いしたい時に、職人さんがキャパオーバーを起こしてしまいます。
全部の布団を丸洗いで清潔にし、みんなが健康になってほしい。みんなに健康になって欲しいから、できるだけたくさんの布団を高品質で丸洗いしたい。そのために、フレスコは、職人さんに頼らなくても、ノウハウが詰まった丸洗いのプログラムで、丸洗いの工程をプログラム化しているんですよ!」
なるほど、そんな理由があったんですね!

- 木村
- 「綿・羽毛・羊毛など、中わたの素材別に、8種類の洗濯工程をプログラム化しています。プログラムをタッチパネルで選択し、
起動ボタンを押せば、洗濯工程がスタートします。」
- 藤野
- 「水はどれくらい入れるんですか?」
- 木村
- 「ドラムの半分弱くらいです。普通はもっと水の量は少ないと思います。水が少ない方が機械の力を伝えやすいからです。水の量が多くなるとどうしても、抵抗が多くなってしまうからです。」
- 藤野
- 「じゃあ、どうして水の量を多くしているのですか?」
- 木村
- 「フレスコでは、しっかり水に漬け込むことにより、水と洗剤の浸透をよくしています。漬け込み洗いでしっかり丸洗いしたい。だから水の量は多くしています。」
- 藤野
- 「ドラムはどれくらい回転させるのですか?」
- 木村
- 「布団の種類にもよりますが、1分間で4回転くらいです。」
- 藤野
- 「ずいぶんゆっくりですね!」
- 木村
- 「もっと回転が速い所が多いと思います。フレスコでは布団が傷まないように回転数を少なくしているのです。洗い1回、すすぎ2回の後、脱水を行います。
布団の素材別に洗い方の工程は違いますが、90度ずつ(1⁄4回転ずつ)ドラムを一時停止させて、洗う方法もあります。」
家庭用の洗濯機では、ドラムが一時停止する事はありませんので、ビックリしました。
水をしっかり吸った布団の重さは相当なはず。
布団をしっかり丸洗いするためには大きな力が必要なんだと思いました。

洗濯脱水機の下から、水がでてきました。
- 木村
- 「洗い1回、すすぎ2回で大体3トン程の水を使います。」

洗濯工程が終わった布団です。
- 木村
- 「脱水後の布団の重さは、通常より1.3倍程の重さになっています。」
一目見た瞬間、丸洗い前の布団の状態と比べて布団がくしゃくしゃになっていない!と感じました。
家庭で洗濯すると、干す前の洗濯物はシワだらけの事が多いです。あれって、洗濯槽に隙間があるから、洗濯物が動いてシワになるのか!と納得しました。








洗濯脱水機の横を見ると、いろんな種類の液体が入った容器がありました。
容器にはチューブがささっており、洗濯脱水機とつながっています。
- 木村
- 「これは自社開発の、布団丸洗い専用の洗剤と助剤です。全部で10種類あります。8つの洗濯プログラムに合わせて、洗剤と助剤をタイミングよく自動で入れます。」
- 藤野
- 「助剤ってなんですか?」
- 木村
- 「助剤とは、生地の劣化や縮みを防ぐ“浴中平滑剤(よくちゅうへいかつざい)”や、生地の色落ちを防ぐ“移染防止剤(いせんぼうしざい)”、中わた用のリンス剤などがあります。」
初めて聞く言葉が多いので、思わず、どんな字を書くのか聞いてしまいました…。
それにしても、たくさんの種類があります!
- 木村
- 「デリケートな布団の中わたを保護しながら、汚れをしっかり落とします。
洗剤を入れる順番や量はとても重要です。間違えると布団の素材が固まってしまう場合もあります。
間違える事はできません。投入する量も10cc単位で計量が可能です。」
- 藤野
- 「洗剤についても、職人さんには頼らないんですね。」
- 木村
- 「そうです。人間が行うと、どうしても1回1回の作業の内容は違ってきます。作業を行う人の体調や周りの状況に影響されて、微妙にズレが出てしまうと、丸洗いの品質にバラつきが出てしまうから、機械で自動的に行うのです。」

洗剤容器の中を見せてもらいました。
- 木村
- 「これは布団用のリンス剤です。ナノエマルジョンと言って粒子が細かいから、布団の中わたにしっかり浸透します。普通のリンス剤は粒子が大きいので布団の中まで入りません。」
“ナノ”というのは、ナノテクノロジーの“ナノ”でしょうか?
確かに、家庭にある柔軟剤はもっとトロリとしている、と思いました。
フレスコのリンス剤は、サラリとした透明の液体のように見えます。
- 木村
- 「洗剤を自動で投入させるためにも、粉末ではなく液体にしています。粉末洗剤も多いと思いますが、それだと量にズレがでますし、パイプを上手に移動できません。液体の方が布団にしっかりと浸透します。
普通の洗濯では、洗濯物を投入し、水をいれて、洗剤を入れると思います。それでは布団の中まで洗剤は浸透しません。水を含んだ後に洗剤を入れても側生地がじゃまをしてしまうからです。フレスコでは浸透力のよい洗剤を開発して、石鹸水にしてから投入しています。この方法を開発するために大変な時間がかかったんですよ。」

洗剤を使って丸洗いをしているけれど、環境に対する配慮はされているのかな?と疑問がわいてきました。
最近は環境問題に関心を持つ人も増えてきています。石鹸で洗ったり、水だけで洗ったりした方が環境にいいイメージがあります。布団をきれいに丸洗いできても、それが環境に負担をかけているとしたら気になります…。
- 木村
- 「フレスコの丸洗い洗剤は、環境ホルモンや発ガン性物質を含みません。また、生分解性が良好な成分を使用しています。フレスコでは環境基準に厳しい欧州生まれの原料を採用しています。」

これは、洗濯脱水機の横に据えられたチューブです。
投入するタイミングでカチカチッと切り替えされて、自動的に洗剤が投入されていました。
人の手で1回ずつタイミングと量をはかりながら行うのは難しいなあと感じました。








- 木村
- 「次は乾燥の工程に移りましょう!」
とても大きな機械です!
洗濯脱水機よりも大きい機械です。
- 木村
- 「この機械は平面乾燥機と言います。この機械も自社開発です!」
洗い終わった布団がベルトコンベアにのせられて、機械の中に入っていきます。
- 木村
- 「乾燥前の布団を動かすと傷むから、布団は一切動かしません。布団は静止させた状態で、コンベアで移動させます。熱風を当てることでハイスピード乾燥が可能になります。敷き布団が5~10分くらいで乾きます。」

平面乾燥機を上から撮影した写真です。

- 藤野
- 「熱風の温度はどれくらいですか?」
- 木村
- 「100度くらいです。布団にあたる部分は10度くらい低いと思います。上から下に風を吹き付けて、下から温風を吸い込む仕組みになっています。」
下から温風を吸う?どういう事でしょうか?
- 木村
- 「上から温風をコンベアに向かって吹きかけると、コンベアの表面で跳ね返ってしまいます。コンベアの下から温風を吸わせる事で、強制的に熱風を通すんですよ。ですからベルトコンベアの表面は風を通すためにネット仕様になっています。」
なるほど!みなさん、ちょっと想像してみてください。
分厚い布団の上に熱風をふきかけても、表面で熱風を跳ね返してしまったら、布団の裏側まで熱風が通りません。下から熱風を吸った方が確実に乾燥できるんですね!

これが横からみた平面乾燥機です。布団乾燥機は4つの部屋に分かれていました。
- 木村
- 「1番目の部屋の熱風温度は100℃くらいですが、だんだん温度を下げていき、最後には冷風をかけます。
最後の段階では風を通すだけで乾きます。」

平面乾燥機の中を見せてもらいました。下から空気を吸っているのがわかります!

平面乾燥機の上についているファンモーターです。これで熱風を送っています。
ここでふと疑問が…
こんなに高速で布団を乾燥させると、布団が傷まないのかしら…。
- 藤野
- 「天日干しにするなどして、ゆっくり乾燥させた方が布団が傷まないのでは?」
- 木村
- 「乾燥するのに時間がかかると、逆に布団が傷んでしまいますし、衛生的にもよくありません。水分を含んだ状態の布団は傷みやすいんです。布団を傷めずに清潔な状態にしてお客様にお返ししたい。だから、フレスコでは、布団を動かさず、一気に乾かす方法をとっています。素材を傷めないように素材ごとに設定を変えています。」
ここでひらめきました。
“布団の丸洗いって髪の毛のお手入れに似ています!!”
シャンプー&リンスした後の髪の毛は濡れているから傷みやすい。自然乾燥には時間がかかります。乾かす時は出来るだけ摩擦を加えないようにして、しっかり乾かして寝ないと髪の毛がいたんでしまいます。
布団の乾燥にも通じると思いませんか!?








平面乾燥機の横には大きなドラムが口を開けていました。
- 木村
- 「平面乾燥機で90%の水分を乾燥した後、タンブラーという機械で少しだけ残した水分を飛ばしながら、布団をふんわり仕上げて復元させます。中わたの素材別に復元工程をプログラム化ししています。中わたの素材ごとに、冷却するとふっくらするもの、高温でふっくらするもの、湿度が必要なものなど異なるので素材別に仕上げを行います。」
- 藤野
- 「1回で何枚くらいの布団を復元させるのですか?」
- 木村
- 「20枚くらいです。ドラムの半分くらいの量ですね。」
- 木村
- 「復元工程を経て、布団丸洗いの工程は終了です。丸洗いする前の布団より軽く仕上がります。」

丸洗いが完了した後の布団です。
台車に乗せられて梱包を待っています。
- 木村
- 「お客様の布団は台車ごとに分けられて管理しています。たくさんのお客様の布団を混ぜてしまうと、工程管理や発送の際に間違いがおきやすいですし、たくさんのお客様の布団がバラバラになっていると、スタッフのピックアップ作業にかかる時間が増えてしまいます。大きくて重い布団を運ぶのは重労働ですから…」

梱包作業の前に検品が行われていました。
- 木村
- 「丸洗いをした後に、痛み、汚れ、縮み、色落ちがないかチェックを行い、布団専用袋に入れる前にビニール袋で梱包します。」

- 木村
- 「ビニール袋に梱包した後に、お客様専用のふとん袋に布団を詰めます。」

- 木村
- 「さらに、配送時の汚れや損傷を防ぐために、お客様専用のふとん袋の底面と側面にビニールをかぶせて発送します。」
- 木村
- 「フレスコの布団丸洗いの工場は、機械化、システム化されているため、丸洗いをしている布団の数に比べて、担当人数は少ないと思います。手作業で行っているのは、始めの検品と洗濯工程に入る前の、蛋白質分解工素剤を塗る工程だけです。
布団を丸洗いする作業はとても体力が必要とされる仕事です。水を含ませた布団はとても重くなりますし、手作業で中わたまでしっかり洗う事は大変な労力がかかります。ほとんどの工程を機械化する事で、スタッフの負担を減らし、いつでも、どの工場でも同じ品質で布団を丸洗いできるようにしています。」







いかがでしたか?布団を丸洗いする所を実際に見る機会はめったにないと思います。
実際に見学すると、大きな布団を丸洗いする事は思った以上に労力がいる事だとわかりました。機械化されているとは言え、1枚の布団を丸洗いするのにたくさんの人が関わっている事がわかりました。
「インターネットで注文をして、宅配便でお布団を送れば布団を丸洗いできる」
これは想像以上に便利な事ですし、たくさんの人の力があってこそできる事だと気が付きました。
今までよりも自分の布団を大切に使えそうです!感謝!